コラム: ニュージーランドの幼児教育

コラム: ニュージーランドの幼児教育

ニュージーランドの教育システム テ・ファリキニュージーランドの就学前教育では【テ・ファリキ】と呼ばれるカリキュラムが各教育施設における教育指南となっています。各自の家庭環境や文化的 バックグラウンドなど、子供の個性を重視して自発的な行動をサポートするという、日本の幼児教育とは大きく異なる教育現場に身を置けば、今までとは違った 視点で教育を考えることができるでしょう。小さいお子さん連れで親子留学をされている方はもちろん、幼児教育に関わるべく勉強中の方や、日本ですでに幼稚園教諭・保育士として働いている方々にも、是非のびのびした環境で生きる力を身につけている子供たちの教育現場を見て頂きたいと思います。

全国幼児教育カリキュラム 【テ・ファリキ】

【南半球の北欧】と呼ばれることもあるニュージーランドでは、社会福祉および社会保障制度が充実しています。その中でも、保育研 究者や保育に実践的に関わる保育士などの共通理念を基に作られた【Te Whāriki(テ・ファリキ)】と呼ばれる就学前教育カリキュラムがあり、ニュージーランドの求める公平で質の高い幼児教育を提供するための基礎となっています。
【テ・ファリキ】とは、マオリ語で「編まれた織物」という意味があり、就学前の幼児教育の骨組みとなるような共通理念が定められていますが、各 施設・各教師・各コミュニティによってそれぞれの具体的な教育方法や内容などについては、個性を盛り込める自由さも有しています。

カリキュラムでは4つの原則 【Family & Community】・【Relationship】・【Holistic Development】・【Empowerment】を基に、その他5つ重要な要素【Well-being】・【Belonging】・ 【Contribution】・【Communication】・【Exploration】を正に織物のように束ねた就学前教育の基礎となる理念を織り 上げています。

就学前教育 テファリキ【テ・ファリキ】に基づいた教育を実施している園では、一見子供がバラバラに自由遊びをしているようにしか見えないかも知れません。しかし良く見ると、教師は注意深く子供を観察しており、子供の「これがやりたい」という気持ちをすばやくくみ取って、やりたいことを実現し、やりたいことをさらに膨らませるための助言や提案を行っているのがわかります。全員で集まって絵本の読み聞かせや音楽を楽しむ集団行動の時間もありますが、そういう時も「僕は自分で粘土の ゾウを完成させたいんだ」といった子がいればそれを尊重し、無理に集団の輪へ誘うことはありません。
日本の幼稚園・保育園とは大きく異なる点ですが、子供 の気持ちを尊重する教育は国際的にも高い評価を受けています。
(Te Whāriki diagram source: Ministry of Education, New Zealand, 1996)

就学前教育施設の種類

ニュージーランドでは義務教育は6歳の誕生日からとなり、子供たちは新学期に一斉に小学校へ入学するのではなく、誕生日から小学校に通うようになります。ただし、義務教育が始まる前年の5歳の誕生日から小学校への入学が認められているため、多くの家庭では5歳の誕生日を過ぎると小学校へ進学させています。

就学前教育としては、長時間預けることのできる保育所(Preschool, Day Care Centre)と、主に短時間預けることができる幼稚園(KindyまたはKindergarten)が主流です。その他、マオリ文化にのっとった教育を行うTe Kohanga Reo、少人数で家庭保育を行うHome Day Careなどもあります。現地の家庭では、共働きの場合保育所を利用し、そうでない場合は幼稚園を利用することが多いようです。幼稚園は、セッション制になっていることが多く、年齢によりセッション時間が午前や午後のみといったように分かれていることもあります。また、幼稚園でも午前・午後と長い時間のセッションを行っていることもありますが、多くは15時までに終了します。保育所は17時から18時の間に終了するところが多いようです。

初等・中等教育については、ニュージーランドの教育をご覧下さい。

子供だけはX

ニュージーランドでは14歳に満たない子供だけを置いて大人が外出すると、場合によっては保護者が刑事責任を問われることになります。親子留学や親子でニュージーランドを旅行される方は、絶対にお子さんを置いて外出されないようお気をつけ下さい。また、保育所・幼稚園・小学校などの送り迎えも、必ず保護者の同伴が必要です。

ニュージーランドの教育施設の1日

ニュージーランドでは、学校や施設により若干時間割などのスケジュールが異なります。小学校と保育所でのスケジュールは概ね下記のようになっているところが多いようですので、ご参考になさって下さい。

小学校のスケジュール

08:30 登校
08:55 授業開始
10:00 休み時間
10:10 授業
11:10 休み時間
11:30 授業
12:30 お昼休み
13:25 授業
15:00 下校

保育所のスケジュール例

08:30 登園
10:00 午前のおやつ
12:00 昼食
14:00 午後のおやつ
15:00-17:00 帰宅

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